減薬3原則

・処方意図を確認

・この患者さんは切れるか

・切るリスクに責任がとれるか

 

・処方意図を確認するのは、大原則

薬は必ず意味を持って処方されている。
その処方意図を汲めない薬剤師はダメ薬剤師だ。

処方意図が汲めない薬剤師は、ただの勉強不足かもしれないし、薬しかみておらず患者を見ていない薬剤師かもしれない。

例えば、ACEIを使用している患者をみて「血圧が低いから切ろう」と安易に言う薬剤師がいたとする。
その理由としては、先ほどの「勉強不足」「患者を見てない」の2つだ。

「勉強不足」:そもそもACEIは血圧降下作用しか知らない、というなら話にならない。
腎臓保護作用、心筋梗塞後心筋リモデリング防止、誤嚥性肺炎の予防などなど、たくさんの使用方法がある。
知らないだけでなく、「降圧作用以外に使用しているかもしれないという想像」がつかないのは、患者を見ていないからにも繋がる。

「患者を見てない」:明らかに誤嚥リスクの高い患者である事を知らない、誤嚥性肺炎での入院歴を知らない、などである。
誤嚥性肺炎での入院歴を知っていれば、処方意図も想像がつき、安易に「ACEIを切ろう」なんて言えないはずである。

処方された薬には必ず意味がある。
それを汲み取れないのは、薬剤師として基礎力が足りないと言わざるえない。

 

・この患者さんは切れるか?

エビデンスは減薬を提案する時に非常に重要である。
「なんとなく切ったほうがいいんじゃないですか?」
なんて言っても、説得力がなさすぎる。
エビデンスを持って、医師に働きかける事が必要である。
しかし、それが全てではない。

例えば、「予後1年程度の患者は、スタチンを切っても生命予後のリスクは変わらない」というエビデンスがあったとする。

では、そのエビデンスに従って、対象患者全てにそれが当てはまるか、と言ったら、そんなわけが無い。

その患者の動脈硬化が非常に進んでいて、狭窄が強いかもしれない。家族性高コレステロール血症やコレステロール血栓症の既往歴があるかもしれない。
それを確認せずに、本当にスタチンを切ると提案するのか?
答えはNoである。

狭窄が強度であれば、スタチンを切った直後に閉塞する可能性が高い。
また、家族性高コレステロール血症は遺伝的に高コレステロールとなるため、薬を切ったらすぐにコレステロールが上昇する事が予想される。

つまり、その患者の状態や背景を十分に理解し、そのエビデンスが本当に当てはまるかをしっかり考えなければ意味が無いのだ。
目の前の患者を見る事はとても大事だという事を改めて認識してほしい。

 

・切るリスクに責任がとれるか

意味のある処方に対して、中止を申し出るのは、「薬物治療を止める」と同じ意味である。
それに対して、薬剤師として責任が取れるかどうか。
提案した以上、責任はついてくる。
患者や処方医にはどのように説明して同意を得るのか。
もし、削除して症状が悪化したらどうするのか。
徹底的に考え、リスクを負える者だけが提案するべきである。
もちろん、それをできるのが「本当の薬剤師」である。

 

減薬は簡単に出来るものでは無いという事を認識してほしい。