薬剤師が誰よりも簡単に説明するシリーズ、第2回はセフェム系です。
では、早速押さえておきたいセフェム系を6つだけご紹介します。
この6つだけは特徴をすぐに言えるようにしましょう。

絶対覚えておきたい6つのセフェム
・第一世代と言えばセファゾリン。術後感染予防、皮膚軟部組織感染症に汎用。

・第二世代で術後感染予防はパンスポリン
・第二世代で消化器感染症ならセフメタゾン

・第三世代で市中肺炎、髄膜炎、淋菌にロセフィン
・第三世代で急性胆管炎、胆嚢炎にはスルペラゾン

・第四世代で発熱性好中球減少症といえばマキシピーム。SPACEにも。

第一世代と言えばセファゾリン。術後感染予防に汎用。
CEZと言えば、術後感染予防
セファゾリン CEZ 1~2gを3~4時間おき、執刀30~60分前から手術終了まで。その後、2日(48時間)以内が推奨。
これが、ガイドラインでも推奨されています。
なぜ、術後感染予防に使うのか?
それは、皮膚移行性も良く、皮膚常在菌の黄色ブドウ球菌によく効くから。
そのため、皮膚軟部組織感染症にも広く使われる。

第二世代で術後感染予防はパンスポリン
CTMと言えば、CEZの次に術後感染予防に汎用。CEZ,CTM一緒に覚えておこう。
感染治療での使用頻度は高くない。

第二世代で消化器感染症ならセフメタゾン
CMZは消化器、婦人科の手術をする時の術後感染予防に使用。
胆管や腹腔、骨盤死腔への移行性も良く、腸管常在菌であるバクテロイデスや、女性器常在菌である、ペプトストレプトコッカスにも良く効くため。

第三世代で市中肺炎、髄膜炎、淋菌にロセフィン
市中肺炎の場合ガイドラインでも、細菌性肺炎や肺炎球菌性肺炎に推奨されています。
しかし、緑膿菌やマイコプラズマや肺炎クラミジアには効果が無いので、それらを否定できた場合に使用します。マイコプラズマや肺炎クラミジアに効かないのは、細胞壁が無いからセフェムは細胞壁合成を阻害する
また、半減期が長く、1日1回でも治療可能なため、外来で点滴をする場合にも推奨されています。
セフェムで1日1回製剤は珍しいので覚えておきましょう。
もちろん、セフェムなので効果を上げたいのであれば、1日量より、回数を増やした方が効果あり
髄膜炎の原因菌である肺炎球菌やβラクタマーゼ産生アモキシシリン/クラブラン酸耐性(BLPACR株)に対しても感受性の良好のため髄膜炎にも使われる。
淋菌はニューキノロンおよびテトラサイクリンの耐性率は、いずれも80%前後のため使えない。
第三世代経口セフェム系 薬の耐性率は、30~50%程度とこれまた耐性率が高い。
消去法で、ロセフィン以外は使わない。

第三世代で急性胆管炎、胆嚢炎にはスルペラゾン
スルペラゾンはセフォペラゾン・スルバクタム。つまり、βラクタマーゼ阻害薬合剤です。
これを配合する事で、βラクタマーゼを産出する腸内細菌や緑膿菌に効果的です。
さらに、胆汁への移行性が良いため、肝・胆道感染症に良く使用されます。
例えば、急性胆管炎のグレードⅠ、Ⅱに推奨されています。
ちなみに重症のグレードⅢでは、緑膿菌、嫌気性菌等の混合感染を疑われるので、その時はより緑膿菌に強い作用がある、マキシピームやファーストシン、もしくは他系統のメロペン、ゾシンが必要。

第四世代で発熱性好中球減少症といえばマキシピーム。SPACEにも。
発熱性好中球減少症に適応を持つのは、マキシピームとメロペン。MRSAが疑われる場合はバンコマイシン。この3つだけ。
ちなみに、発熱性好中球減少症は主に緑膿菌のしわざ。それに一番効くマキシピームやメロペンを投与すれば効果がでる。
しかし、好中球が上がってこないのに、発熱しているのはヤバい状態。十分量を投与しないと命が危うい。
また、院内感染の原因菌SPACEにも使用。
SPACEとは
S: Serratia セラチア
P: Pseudomonas 緑膿菌
A: Acinetobacter アシネトバクター
C: Citrobacter サイトロバクター
E: Enterobacter エンテロバクター
マキシピームはすべてをカバー。
もちろん、発生させない事が一番重要。

というわけで、今回のセフェム系はいかがでしたでしょうか?
本当に重要な薬しか取り上げていません。
さらに、知識を深めたい方は自己学習で♪